SNS広告×LP手法では軽貨物ドライバーの採用が難しい理由

最近、軽貨物ドライバーの採用手法として、InstagramやFacebook(meta広告)を活用し、LP(ランディングページ)に誘導してLINE登録を促す方法が注目されています。
近年、多くの運送会社が「最新の採用手法」として試しております。一見すると、広告とWEBの力を掛け合わせた“現代的な採用戦略”に思えるかもしれません。
しかし、弊社では、複数の企業様の採用支援を通じて得られた実体験とデータから、この手法について、「費用対効果の面で課題が多く、特に本業としてのドライバー採用には向かない」と考えています。
この記事では、なぜSNS広告×LPの手法が軽貨物ドライバーの採用に向いていないのかを具体的にご説明し、代替としてどのような方法が効果的なのかもご紹介します。
なぜ、SNS広告×LPでは採用が難しいのか?
まず最初に押さえておきたいのは、SNS広告でアプローチできる大半は「潜在層」であるという点です。
InstagramやFacebook(Meta)を見ている多くのユーザーは、今すぐ転職や副業をしようと強く考えているわけではありません。
暇つぶしや別の目的の情報収集、気分転換といった目的でSNSを使っている人が大多数で、「今すぐ仕事を探しているわけではない」からです。
これはマーケティング用語で「潜在層」と呼ばれる層であり、まだ行動段階に入っていない人々です。
例えば、Instagramで軽貨物ドライバーの求人広告が流れたとしましょう。「未経験OK!月収60万円も目指せる!」というキャッチコピーが添えられていたとします。
その広告を見たユーザーがどのように感じるかというと
「ふーん、軽貨物ってそんなに稼げるんだ」
「ちょっと興味あるけど、いまの仕事もあるし…」
「LINE登録か…まあ今じゃなくていいか」
このように、なんとなく気になるレベルの興味は引けたとしても、実際にLINE登録をして、そこから応募に至るまでのハードルは非常に高いです。
一時的な興味は持っても応募まで至らないケースがほとんど。LPでどんなに魅力的な情報を伝えても、「今すぐに動く理由」がなければ、そのまま離脱されてしまいます。
LINE登録後に起きがちな問題
たとえLINEに登録してもらえても、応募に至るまでには次のような壁が立ちはだかります。
1.時間の経過による熱量の低下
登録直後は興味があっても、通知が流れると未読・既読スルーになりやすい。
2.情報過多への拒否反応
メッセージが続くと「営業っぽい」と感じてブロックされることも。
3.生活環境の変化
他の仕事や家庭の事情が優先され、検討自体が後回しになる。
これらを乗り越える手段として、LINEステップ配信の最適化やリッチメニューの強化がありますが、効果が出るのはもともと転職意欲の高い顕在層の場合です。
一方、SNS広告からLINEへ流入する多くは「ちょっと気になる」程度の潜在層。軽貨物ドライバーは業務委託(=個人事業主)が中心で、車両購入・保険・確定申告など独立前提の準備が不可欠です。
そのため、会社を辞めて独立する決断が重いという心理的ハードル、資金計画や手続きが複雑という実務的ハードルの二重の負荷がかかり、温度が上がり切る前に関心が薄れるケースがほとんどです。
結果として、どれほど丁寧にLINEシナリオを組んでも面接設定率は伸び悩みがちになります。
強い意思決定を伴う軽貨物ドライバー採用では、LPの訴求やLINEでの温め施策だけでは限界がある、というのが実情です。
さらに費用と時間がかかる
また、推奨できない理由はコストが高い点です。
SNS広告による採用活動は、下記のような初期投資が必要です。
・LP(ランディングページ)の制作費
・LINEの構築、運用体制の整備
・広告費
・広告用のクリエイティブ制作費
・広告運用代行費
これまで弊社が話を伺った企業様では、LP制作で150万円、LINE構築で30万円などの制作費がかかり、加えて毎月の保守管理費がかかっている、とのことです。
また、LP制作とLINE構築を終えてから広告が稼働するまでに時間がかかるため、欠員が出てしまったから「早く応募が欲しい」といった採用ニーズには応えにくいです。
もちろんSNSを眺めている層にも「転職して軽貨物ドライバーを検討中」のユーザーは一定数いて、広告ターゲティングで絞り込める余地がありますが、実際に採用できる可能性は低く、大きな初期費用をかけても投資対効果に見合うかと言われると難しいところです。
軽貨物ドライバーを効率的に採用する方法
では軽貨物ドライバーを効率的に採用するためにはどんな手法を取れば良いのか?ということですが、弊社ではindeedでの採用活動を推奨しています。
Indeedなら広告費がクリック型課金のため、月1万円の広告費でも、必要なときに必要な分だけコストをかけることができ、無駄な出費を抑えた運用が可能です。
求職者が検索エンジンで「軽貨物ドライバー 求人」などと検索したときに、indeed広告が上位に表示されるため、転職意欲の高い「顕在層」に直接アプローチすることができます。

また、LPの制作やLINEの構築は不要で、アカウントを作成し、求人を作ればすぐに採用活動を始めることができます。
もちろん単純にindeedに求人を出せば採用ができるわけではありません。indeed内に求人を出している競合にどう勝つか?どう訴求するか?などの最適化をしながら運用をしていく必要があります。
なお弊社の具体的な成功事例として、Indeedを活用し、長野県の配送会社様では1ヶ月間で4名のドライバーと業務委託契約(採用)に成功。東京都の配送会社様では4ヶ月で8名のドライバーと業務委託契約(採用)に成功しています。
よくある疑問と回答
- SNSは若手を集めやすいのでは?
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若年層の流入自体は可能ですが、ドライバーとして独立を検討している顕在層にまで届きにくいです。
- LPやLINEステップの改善で応募率を高められませんか?
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LPの改善だけでは、応募率を高めることは難しいです。またLINEステップもメッセージが多いと「営業っぽい」と感じてブロックされやすくなり、結果として面接に繋がる候補者が絞られてしまいます。
- 求人媒体は掲載から応募まで時間がかかる?
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アカウントと求人票さえ用意できれば当日中に掲載可能です。掲載翌日に応募が入る事例も珍しくありません。
まとめ
SNS広告とLPを活用した採用手法は潜在層リーチ型。目新しく画期的な手法に思えますが、軽貨物ドライバーという独立型の職種の採用にはフィットしにくい面があります。
クリックは集めやすいものの応募に転換しにくく、初期費用も高くなりがちですが、結果に結びつかないケースが少なくありません。
一方で、求人媒体は顕在層特化型。「今、仕事を探している人」に直接届くため、制作コストをかけず短期で応募が入り、採用に直結しやすいです。
そのため採用コストを下げるのであれば、まずは求人媒体からの着手がおすすめです。
軽貨物ドライバーの採用なら「採用イチニン」までお気軽にご相談ください。
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